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経営改善・物流改善をサポート 田村経営コンサルティング事務所

物流改善コラムschedule

ブログで書いた物流改善に関するコラムを再編集してご紹介します。
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物流改善お役立ちコラム

「物流をアウトソーシングする範囲の考え方」

物を扱っている企業であれば、物流の管理が必要になります。

物流管理とは、具体的には在庫管理や配送管理、作業管理などです。

その物流管理について、自社で行わずアウトソーシングするという考え方があります。

このアウトソーシングする範囲については、どこまで委託をするのか、さまざまなレベルがあります。

物流センターの設置、情報システム、庫内オペレーション、配送まですべて委託するレベルのものから、システムは自社で、庫内のオペレーションや配送部分だけ委託するという場合もあります。

「どこまでアウトソーシングするか」は、「どこまで自社で管理すべきか」の裏返しと言えるでしょう。

ここでいう管理とは、「計画」、「統制」を自社で行うという意味です。

物流管理をする上では、その「計画」と「統制」が必要です。

計画とは、何を、いつ、どれくらい行うかというプランを立てること。そして、いかに効率が上がるように改善していくかを考えること。
統制とは、そのプランがうまくいくように調整を行うこと。

物流コストを下げたり、物流品質を上げるには、その計画と統制をうまく行うことが必要です。

アウトソーシングのレベルが高く(アウトソーシングの範囲が広く)なれば、自社で計画と統制を行える範囲が狭くなる。
逆に、アウトソーシングのレベルが低く(範囲が狭く)なれば、自社で計画と統制を行える範囲が広くなる。

従って、どこまで自社で管理(=計画と統制)すべきか、管理できるかを考えてアウトソーシングする範囲を決めなければいけません。

アウトソーシング先の企業の言いなりにならないように、自社でしっかり管理すべきことを決めることが必要です。



「物流コストは率ではなく額でとらえる」

物流業務をアウトソーシングする場合、委託料の支払いが発生します。

その委託料の契約については、「率」で支払うか、「額」で支払うかになります。

「率」で支払うものは、「出荷金額×契約料率」が物流コストとなります。
たとえば、契約料率を3%とした場合、1万円の商品を出荷したら、300円を委託料として支払うことになります。

一方、「額」で支払う場合は、「1個出荷したら○円」という形の契約です。
(出荷に限らず、入荷作業や、加工作業なども「1個○円」という契約となります。)

「率」の契約と、「額」の契約のどちらが契約形態として良いかは、その企業の考え方や、業界慣習もあり、一概には言えません。
また、どちらの契約が多いかについては、正確な調査をしたわけではありませんが、「額」の方が多いように思われます。

しかし、業界によっては「率」で契約する場合が多いところがあります。
たとえば、小売業(チェーンストア)では、物流をアウトソーシングする場合、「率」で契約する慣習があります。

契約としては「率」でもよいのですが、物流コストの管理については、「額」で把握する必要があると思っています。

一例として、「プレミアムビール」と「第三のビール」を考えてみます。
サントリーであれば、プレミアムモルツと、金麦です。

さて、その物流コストは、それぞれいくらになるでしょうか?

答えを先に言うと、実際に掛かるコストは同じになります。

当たり前のことですが、プレミアムモルツと金麦は、大きさも同じであり、重量も同じです。
従って、掛かる物流コストに違いはありません。

ところが、これが「率」の契約になると「支払う物流コスト」に違いが出てきます。
なぜなら、商品単価が違うからです。

「率」の契約の場合は、商品単価が高ければ、その分支払う金額が高くなります。
商品単価が低ければ、必然的に支払い金額は安くなります。

これでは、「物流コストの“妥当性”」の評価はできません。
商品単価の高低によって左右されては、正しいコストを捉えることはできないのです。

そのため、物流コストは「額」、特に「“1個当たり”の額」で捉えることが重要です。



「物流現場における見える化のポイント」

物流の現場でも「見える化」を進めようとしているところは多いと思います。

そのような企業では、「見える化」という言葉自体は、社内に浸透しているでしょう。

しかし、私自身、本当に『見える化が進んでいるな』と思える現場は少ないものです。

私が考える見える化とは、
  ・聞かなくてもわかる
  ・言わなくとも伝わる
ことです。

作業のやり方やコツ、注意をしなければいけない点などが、大きくわかりやすく表示され、誰にでも理解できるようになっているでしょうか?
あるいは、今の現場(作業進捗や、作業品質など)は、どのよう状態であるのか(良いのか、悪いのかなど)が、目で見てわかるでしょうか?

いちいち聞かなくてはわからないとか、管理者しかわかっていないという状態では、見える化ができているとはいえません。

私は、トヨタの人から改善の指導を受けた時に、「ヒトに聞くな、モノに聞け」ということを教わりました。
今、目の前にあるモノが、「何なのか(滞留品?、処理待ち?、仮置き?)」、「どうすべきなのか」をモノを見てわかるようにしなさい、ということです。

そのような環境ができている現場は、本当に少ないと感じています。

その点においても、まだまだ改善の余地はあるということです。

見える化は、改善を進めるうえで大事な手法なので、どんどん見える化を進めていってほしいと思います。



「生産性改善には物流品質を上げる」

物流現場では、作業の生産性をいかに上げるか、といった観点で改善が進められます。

動線の見直し、レイアウト変更、保管エリアの変更、ピッキング作業の短縮化など、いかにムダな作業をなくすかを考え、実行していきます。

その生産性改善に向けたもう一つの視点として、「作業品質を上げること」を考えることも必要です。

作業品質とは、ピッキングミスや出荷ミス、商品の汚破損、棚卸差異といった現象に表れるものです。

ピッキングミスで商品の不足が発生すると、検品者(あるいは集品者)はその商品を追加で取りに行かなければなりません。
あるいは、過剰ピッキングが行われると、その商品を元の保管場所に戻す作業が発生します。

商品の汚破損が生じたら、事故処理として報告書を書いたり、在庫マスターから引き落としの作業を行ったりする必要があります。

また、棚卸差異が発生すると、その調査や事後処理を、時間を掛けて行わなければなりません。

それらの、追加作業や後処理に余計なコスト(時間)、ムダなコスト(時間)が掛かることになります。

さらに、顧客や荷主に迷惑を掛けたとなると、お詫びやクレーム対応などの処理で膨大な手間が掛かります。

結果として、そららが生産性を低下させる要因となるのです。

作業品質を上げ、ムダな業務に手間を取られないような改善を進めることも重要です。



「物流改善は在庫問題から考えてみる」

物流、ロジスティクスをなんとか改善したいと思っている企業は多いでしょう。

しかし、どこから手を付けていいのか、見当がつかないこともあると思います。

実際、私が受ける物流改善のニーズは、「物流をなんとかしたい」というところからスタートすることが多くあります。

物流、ロジスティクス改善の最大のニーズは「コスト低減」でしょう。
「物流サービスの向上」や、「物流品質の改善」といったニーズもありますが、それはある程度課題が明確になっている場合です。

まだ漠然としたニーズの段階で、物流を改善したいという場合は、その大きな目的はコスト低減となります。

コスト低減には、作業効率、配送効率、保管効率などを改善することが必要です。

しかし、まだ物流改善のテーマが明確になっていない段階では、「在庫問題」から課題を捉えてみることが良いと思います。
(在庫がある企業が前提となりますが)

「在庫日数が適正か」、「長期滞留在庫がないか」、「在庫管理責任者は明確になっているか」、「欠品が発生していないか」、といった『在庫』をキーにして問題を整理してみるのです。

たとえば、在庫が過剰であったり、長期滞留在庫が多い場合は、保管スペースが余分に必要となります。
結果として保管効率が悪くなり、余計な荷繰り(保管場所の入れ替え)作業の発生や、動線の長距離化で、作業生産性が悪化することになります。

また、欠品が発生すると、その後処理に多大な手間が掛かり、これも作業生産性の悪化につながります。

そういった観点で、物流における問題点を明らかにしていくのです。
問題が明らかになれば、それを改善するための方策を次に考えることで、実際に改善を進めていくことができるようになります。

さらに視点を広げて、サプライチェーン全体を通じた在庫管理のあり方を考えてみるのもよいでしょう。

在庫を持っている企業で、物流をなんとか改善したいと思っている場合は、まず「在庫問題」に目を向けてみることをお勧めします。



「自社物流かアウトソーシングか」

物流をアウトソーシングする動きがあります。

商品の保管、出荷業務、配送などを専門の物流業者に委託するものです。
それらの業務を請負う物流業者のことを、「3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)」と呼んでいます。

その一方で、物流は自社で行うことにこだわっている企業もあります。

自社で物流を行うのがよいのか、アウトソーシングするのがよいのか。

どちらがよいか?
実は、これには答えはありません。

自社で物流を行うと、現場の作業や従業員の手配、配車などの管理を、日々実施しなければなりません。
アウトソーシングすれば、それらは物流業者でやってくれるので、日々の運営に直接携わらなくてよくなります。
当然ですが、現場レベルの管理は、アウトソーシングすれば楽になります。

コストについては、アウトソーシングすれば安くなるかというと、そうとは言い切ません。
契約したときのコストは(一見すると)安くなるかもしれませんが、イレギュラーな作業が発生したりすると、結果的にコストが上がってしまうことがあります。

さらに、自社物流では効率化したことは、直接の効果(=コストダウン)として享受することができます。
現場改善や物流の仕組みを変えることも容易にできます。
効率化すべきことがあれば、即座に対応することが可能です。

アウトソーシングした場合は、基本的に現場管理の責任は物流業者側にあります。
荷主側から仕組みを変えようと提案する場合、業者との調整が必要となります。

結論をいうと、自社物流がよいのか、アウトソーシングがよいのかは、その企業の経営資源や、方針によって決めることになります。

ただし、アウトソーシングした場合でも、管理の『丸投げ』ではいけません。
物流効率化や改善の方策については、自社でコントロールできるようにしておくべきでしょう。

そのため、アウトソーシングした際も、自社の物流の仕組みづくりを考えられる人材が、社内に必要です。
アウトソーシングしたからといって、物流の仕組みづくりを考えなくてよくなると思うのは、誤った考え方です。



「物流改善を進めるためのレベル」

物流改善を進めるには、まずどのレベルの改善を行うのかを決める必要があります。

レベル@…サプライチェーン全体の最適化を目指すのか
レベルA…自社内の製販連携、在庫管理、配送管理の最適化を目指すのか
レベルB…物流センターの作業生産性、作業品質の改善を目指すのか

このレベルをある程度明確にしないと、議論をしていても焦点がぼやけてしまいます。
極端な話し、レベル@を検討するのであれば、レベルBのセンターでの生産性の話しはしないくらいのことが必要となります。

レベル@は、自社だけでなく、サプライヤーや顧客を巻き込んだ物流、ロジスティクスの改善になります。
そのため、前後工程の関係先を含めて議論を進めなければなりません。

サプライヤーといっても、一社だけではないでしょう。
顧客も同様に一社だけということは、ごくまれだと思います。
従って、関係者を集めた議論が必要になります。
自社だけでなく、関係者の全体最適を目指すことを合意しなければなりません。

レベルAは、自社内の物流を改善することになります。
製造業であれば、生産計画、販売計画をすり合わせ、ムダのない生産・販売・在庫になるような物流計画を作り上げます。
自社内といえど、立場が異なれば目指すものも異なるのが常なので、これも全社の最適化を目指す視点が求められます。

レベルBは、主に物流現場での改善となります。物流担当者や現場責任者が生産性、品質を上げ、環境を良くする活動を進めます。
作業分析を行ったり、問題点の真因を追究するなどして、作業しやすい現場を作り上げることが目的となります。

物流改善を検討する際には、このレベル観を意思統一することから始めることが必要です。



「在庫責任はどこが持つべきか」

私は、会社に入ったときに「在庫コントローラー」という業務を担当しました。
物流センターに在庫する実用衣料品の在庫を、適正に保つのが仕事でした。

私がいた会社は、そこそこ規模が大きかったので、在庫を管理する専任スタッフがいます。
規模が大きくない会社では、そのような専任スタッフを置いているところは少ないと思います。
その場合、誰が在庫の責任を持つべきでしょうか?
考えられるのは、「生産・調達部門」、「営業部門」、「物流部門」です。

まず、「生産・調達部門」ですが、この部署の役割は安価に商品を生産もしくは調達することです。そうなると、量をまとめたほうが安くなるので、過剰在庫となりがちです。

次に「営業部門」ですが、ここの最大の使命は売上を上げることです。そのために、品切れがあることは許されません。したがって、この場合も過剰在庫になりがちです。

そして「物流部門」ですが、物流の現場はスペースが限られており、在庫が多いと作業性が悪化し、生産性の低下につながります。したがって極力在庫を少なくしようとするインセンティブが働きます。

では「物流部門」が在庫管理の責任を持つべきでしょうか。
否、私はそうは思いません。

結論をいうと、「営業部門」が持つべきものだと思います。

その理由としては、
・販売計画や需要予測の情報を一番持っているのは営業部門である
・営業部門は売上計画(予算)を持っているので、それに向けた販売戦略、営業戦略を立て、何をいくら販売すべきかを考えている
・在庫が“適正”かどうかは、需要予測に基づいて決まる(本来は実需要に基づくべきだが、実需要を正確に捉えることはできないため、予測でよい)からである

在庫をいくつ持つべきかは、いくつ商品を売るかによって決まります。その情報を持ち、販売を実際に行うのは営業部門です。そのため営業部門が在庫責任を持つべきです。












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