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コラム

ムダに短いリードタイムの是非

ネット通販は拡大の一途で、ネットを主たるチャネルにしている通販会社はもちろん、あらゆる小売業がネットでの販売に力を入れています。
そして、ネット通販ではリードタイムの短縮を競っている面もあります。

今日注文したら、自宅に届くのは明日。
さらには、「今注文したら〇時間以内にお届けします」などとうたっている企業もあります。

短いリードタイムを求めている顧客が存在していることは確かです。
すぐに欲しい、今なくて困っている、1分でも早く届けてほしい、などといったニーズは決して少なくないでしょう。

一方で、手に入れたいが、特に明日必要というものでもない、という顧客がいることも事実です。
2~3日後でも構わない、という顧客です。

しかし、ネット販売で注文する場合、
①今注文したら明日お届けします
②お届けは2~3日後です
①でも②でも送料は無料(もしくは同じ値段)です
となっているところが多くあります。

その場合、顧客はどちらを選択するでしょうか。
大半、おそらく9割以上は①を選択するでしょう。
同じ値段であれば。

今日の注文で明日お届けという場合、出荷の現場では何が起こるか。
注文データを受信後、その日のうちにピッキング、梱包を行わなければなりません。
そして、配送する宅配業者の引き受け時間に間に合うように、出荷を完了させなければなりません。

注文データを受け付けるのは、当日の午前中までとか、14時までといった時間が設定されています。
宅配業者の荷物引き受けの締め時間は、17時とか18時までといったところが大半です。

そのため、注文を受けてから数時間ですべての出荷作業を完了させなければなりません。
受注件数が少なかろうが、多過ぎだろうが、数時間でピッキング、梱包を終える必要があります。
現場では、「今日は受注件数が多かったから出荷が間に合わなかった」ということが許されません。
件数が多い場合、現場はてんやわんやです。
笑い話では済まされず、そのために人を多く抱えたり、臨時の派遣社員を雇ったりといったことが行われています。

それらはすべてコストに跳ね返っています。
またコストだけでなく、「万一当日出荷が間に合わなければ信用を失う、さらには顧客からとてつもないクレームを受ける」という状況に陥ります。

もし、受注から出荷までのリードタイムが1日から2日程度余分にあれば、そういった問題を回避することが可能になります。

そのため、ネット通販ではお届けまでのリードタイムを必要以上にムダに短くしていないか、見極めてほしいと思います。

短いリードタイムを求める顧客には、そのサービスを提供する。
それによって売上を上げる。
しかし、特に短いリードタイムを要求していない顧客には、ムリのない日数でお届けする。
それによってコストの増加を抑制する。

それらを可能とするために、ページ上でのお届け日数の設定を、デフォルトでは数日後、どうしてもという場合は最短のリードタイムを選択できるようにする。
また直接的に配送料に差をつけることが難しければ、ポイントの付与数などで差をつける方法もあると思います。

本当に必要なサービスなのか、必要以上にムリを生じさせるサービスではないのか。
リードタイムの設定についても考慮すべき点があります。
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