物流コンサルティング入門(19)~物流とロジスティクスの違い
■経営コンサルタントのための物流コンサルティング入門講座(19)
中小企業診断士などの経営コンサルタントが物流や物流業界に関連するコンサルティングを行う際に知っておいていただきたい用語、物流の仕組みなどについて解説しております。
第19回目は、物流とロジスティクスの違いについて。
物流のことを何と呼ぶか。当たり前ですが、「物流」と呼びます。
別の呼び方として「ロジスティクス」と言うこともあります。
では、「物流」と「ロジスティクス」には何か違いがあるのでしょうか。
ロジスティクスの“日本語訳が物流”で、物流の“英語訳がロジスティクス”ではないのか。
そう思っている人もいるかもしれません。
その認識はまったくの間違いとは言い切れませんが、物流とロジスティクスには厳密にいうと意味の違いがあります。
【言葉の定義】
JIS(日本産業規格)に用語の定義があり、それぞれ以下のように示されています。
『物流』
「物資を供給者から需要者へ,時間的及び空間的に移動する過程の活動。
一般的には,包装,輸送,保管,荷役,流通加工及びそれらに関連する情報の諸機能を総合的に管理する活動。」
『ロジスティクス』
「物流の諸機能を高度化し,調達,生産,販売,回収などの分野を統合して,需要と供給との適正化を図るとともに顧客満足を向上させ,併せて環境保全,安全対策などをはじめとした社会的課題への対応を目指す戦略的な経営管理。 」
JISの定義によると上記のようになります。
「物流」とは、物資を移動する過程の活動。
「ロジスティクス」とは、物流の諸機能を高度化したもの。
ということです。
つまり、物流を高いレベルで管理した状態がロジスティクスということになります。
ただし、現代においては「物流」といっても単にモノを右から左へ(JISの定義よると「供給者から需要者へ」)流せばよいというものではありません。
計画的に、かつ効率的に管理したうえでモノを流す必要があります。
それらの活動はロジスティクスの定義とほぼ同義と言ってもよいでしょう。
ちなみに「物流」は英語ではPhysical Distributionです。
Physical Distributionを日本語に訳すと「物的流通」となります。
物的流通が短縮されて「物流」と呼ばれるようになったという説もあります。
またロジスティクス(Logistics)の日本語訳は「兵站」となります。
兵站とは軍事の言葉で、さまざまな物資を計画的かつ適宜に戦地に補給することです。
まったくの蛇足ですが、私が新卒で入社した会社で最初に配属されたのは「物的流通本部」という部署でした。
【まとめ】
物流とロジスティクスの違いは、
・物流は物資を移動する過程の活動のこと
・ロジスティクスは物流の諸機能を高度化したもの
ということになりますが、現代においては物流とロジスティクスのそれぞれの言葉はほぼ同義として使用しても問題ないかと思います。
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