物流コンサルティング入門(22)~物流費の個建制とは
■経営コンサルタントのための物流コンサルティング入門講座(22)
中小企業診断士などの経営コンサルタントが物流業や物流に関するコンサルティングを行う際に知っておいていただきたい用語、物流の仕組みなどについて解説しております。
第22回目は、支払物流費の個建制について。
物流業務を物流事業者にアウトソーシングしている場合、その費用をどのような形で支払うか。その形態の一つとして、「個建制」というのがあります。
【個建制とは】
個建制とは、物流費を「1個当たり」の費用として支払う形態です。
たとえば、保管してある商品をピッキングして出荷する場合。
そのピッキングおよび出荷作業を「1個〇円」という形で委託先の物流事業者に支払います。
なお、ここでの“1個”というのは、商品自体の1個を指すものだけでなく、“1ケース”や“1パレット”といった単位を指す場合もあります。
イメージとしては、「業務1回当たり」といったものです。
また、広義では単位面積や単位重量、単位容積当たりの支払いをする場合も個建制となります。
【個建制支払いの単位】
上記をもう少し詳しく説明すると、以下のような支払いが個建制に該当します。
①商品1個当たり(1ケースや1パレット、また伝票1行といった場合も含みます)の単位で、何らかの業務(入出荷作業や加工作業、保管など)を行った場合。
この中で1パレット単位というのは、パレットに乗った状態でパレット1枚ごとに物流業務(荷役や保管など)が行われるケース。
伝票1行単位というのは、ピッキング作業などで指示書(=伝票)の1行ごとに作業が行われるケース。
この場合、伝票1行に1個ピッキングの指示があっても、3個のピッキングの指示があっても、支払い金額は同じです。
②単位面積ごとに物流業務が行われる場合。
面積当たりで支払われるのは主に保管業務です。
そして、その単位面積の多くは「坪当たり」の金額を支払います。
この場合、たとえば1坪に10個保管しようが、50個保管しようが、支払い金額は同じです。
③重量当たりで物流業務が行われる場合。
重量当たりの単位で多いのは「トン当たり」という支払いです。
荷役や保管を行う際、「1トン当たり金額×トン数」で支払い金額が決まります。
重量当たりの契約が行われるのは1個数トンあるといったような重量物を扱う場合です。
④単位容積当たりで物流業務が行われる場合。
これは重量当たりの場合と似ていて、重量当たりでは「トン」が単位となりますが、容積では主に「㎥」が単位になります。
1個の容積が大きなモノを扱う場合にこのような契約が行われます。
【どの単位にするのか】
個建制で、1個当たりにするのか、あるいは面積や重量当たりにするのかといった契約は、事前に荷主と委託先の物流企業で決めておきます。
上記のとおり、同じ保管業務でも「1個当たり」、「1坪当たり」、「1トン当たり」、「1㎥当たり」といった複数の契約形態があります。
どれにするかはモノの特性(大きさや重さ)や作業特性によって委託先と合意し、単位当たりの金額を取り決めます。
【個建制以外の契約形態】
では、物流委託先との支払い契約で、個建制以外にはどのような契約があるのでしょうか。
それは「従価制」と呼ばれるものです。
従価制とは、商品の通過金額(もしくは出荷金額)に規定の料率を掛けて物流費を計算する方法です。
商品の通過金額(出荷金額)とは、委託先の物流センターに入荷(出荷)した商品の金額合計です。
そして、規定の料率というは、荷主と委託先で取り決めたパーセンテージです。
たとえば、物流センターに商品が100万円入荷して、契約の料率が5%だった場合、「100万円×5%=5万円」が物流委託先への支払い金額となります。
センターフィーと同じような考え方です。
(センターフィーとは何かについては物流コンサルティング入門(7)~センターフィーとは を参照ください)
従価制で物流事業者と契約するのは、小売業などの流通業が多いです。
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