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物流コンサルティング入門(23)~在庫を分析する指標

■経営コンサルタントのための物流コンサルティング入門講座(23)


中小企業診断士などの経営コンサルタントが物流業や物流に関するコンサルティングを行う際に知っておいていただきたい用語、物流の仕組みなどについて解説しております。
第23回目は、在庫を分析する際の指標について。
経営コンサルティングの中で、在庫量の実態を分析する必要が生じることがあります。
在庫が多すぎないか、今の状態で問題ないのかを見極める場合などにです。

その場合、在庫管理の指標を活用して在庫量の分析を行うことになります。
では、在庫管理の指標にはどのようなものがあるのでしょうか。

【在庫管理の指標①~財務面から】
財務面から在庫を分析する指標としては、
在庫回転率が代表的です。在庫回転率は

で計算できます。

また、簡易的に分子を「売上原価」ではなく「売上高」で計算することもあります。
ただし、分母の棚卸資産は原価で計上されているので、分子を売上高にすると『売価÷原価』となってしまうため、正確な計算とはいえません。
たとえば、粗利率が50%とか60%とかの高い品目が多いと、在庫回転率の数値は良く見えてしまい、実態を表さなくなります。

そして、財務面からの算出では企業全体の在庫を評価する指標としては使えますが、単品別の評価(単品別に在庫が多すぎるものがあるのか、ないのか)をすることはできません。

【在庫管理の指標②~単品別】
単品別に在庫を分析する場合の指標としては、上記と同様に在庫回転率があります。
単品別の在庫回転率の計算式は、

となります。
たとえば、1年に1,000個出荷し、在庫数が250個であれば在庫回転率は年に4回転となります。
在庫回転率は出荷期間が年なのか、月なのか(もしくは週なのか)を明確にすることが重要です。

また、もう一つの指標として在庫日数があります。
在庫日数の計算式は、

となります。
たとえば、在庫が1,000個あって、1日平均で50個出荷するものは在庫日数が20日となります。

さて、これら2つの指標ですが言っている意味は同じです。それぞれの分母と分子が入れ替わっているだけです。
そのため、指標としてどちらを使っても構いません。

私の場合は、数値として比較的すぐに理解しやすい「在庫日数」で算出することが多いです。
単品別に在庫日数を算出することで、『この在庫は多い(=在庫日数が長い)』、『この在庫は少なすぎる(=在庫日数がわずかしかない)』といったことが直感的につかめます。

【在庫数の算出方法】
在庫回転率、在庫日数のいずれも「在庫数」を把握することが必要です。
しかし、在庫数は日々変化します。
日々変化するので、毎日計算しなければならないかというと、それはあまり現実的ではありません。

そこで、簡易的に「平均在庫数」を計算し、それを在庫数に当てはめることが多いです。
平均在庫数は、

で計算します。
期首、期末は1か月単位で計算する際は期首が1日、期末が末日です。
なお、期首の1日(ついたち)は、前月の末日と同じ(たとえば3月31日の23時59分時点の在庫数は4月1日の0時0分時点の在庫数である)と見ることができるため、実務上は「期首=前期末」として計算することがあります。

【在庫が多いのか、少ないのかを判断するには】
在庫日数の指標で、単品別にそれぞれの日数が計算できたとします。
では、その日数が『多すぎるのか』、『ある程度妥当なのか』、『少なすぎるのか』はどうやって判断したらよいでしょうか。

たとえば、「在庫日数30日は多いのか少ないのか?」、「在庫日数200日は多いのか少ないのか?」、どう見たらよいでしょうか。
あるいは「在庫日数100日」ではどうでしょうか。

その数値だけでは多いとか少ないとかを判断することはできません。

在庫日数が何日が適当なのかを判断するためには、『基準となる在庫日数』を設定します。
基準となる在庫日数は社内で(もしくは取引先などと合意して)決めます。

たとえば、賞味期限のない雑貨品などでは、
・国内調達品は基準在庫日数→30日
・海外調達品は基準在庫日数→90日
というように調達リードタイムや仕入ロットなどの特性を見ながら基準在庫日数を設定します。

そして、その基準在庫日数に対して、算出した現在の在庫日数が多いのか、妥当なのか、少ないのかを判断するのです。
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