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物流コンサルティング入門(番外編1)~100億宣言企業の物流のあり方

■経営コンサルタントのための物流コンサルティング入門講座(番外編1)


中小企業診断士などの経営コンサルタントが物流業や物流に関わるコンサルティングを行う際に知っておいていただきたい用語、物流の仕組みなどについて解説しております。
今回は番外編として、100億宣言企業の物流のあり方についてお話しします。
物流

現在、政府(中小企業庁)は中小企業に対し、「売上高100億円」を目指すことを推奨しています。
現在の売上高が年10億円から100億円未満の中小企業に「100億宣言」をしてもらい、経営基盤を強化する取り組みを後押ししたり、成長のための補助金交付や税制優遇をしたりして、加速的に企業が成長するための政策を推し進めています。
「100億宣言」を行った企業も数千社に達しています。

この100億円を目指すにあたり、物流をどうするべきか。
企業によってはそれも考える必要が出てきます。

たとえば、現在売上が年50億円の企業であれば、100億円に達すれば単純に2倍、現在70億円の企業では1.4倍の物量に増えるということです。
すぐに100億円に達するというわけではないと思いますが、将来的な物流の姿も見通しておかなければなりません。

仮に物量が現在の1.5倍に増えると想定した場合、今の物流施設や物流インフラで間に合うという企業は少ないのではないでしょうか。
物流施設は極力ムダのないように設計するものです。
今の1.5倍の物量をそのまま処理できるというのは、現段階では未使用のスペースや施設が多大にあるという証左です。

そのため、将来的には物流施設の移転、もしくは拠点を増やすことが必要になってきます。
物流施設を移転、あるいは新設するとなると、それに伴ってトラックなどの輸送経路も変わってきます。
つまり、物流センターなどの施設だけでなく物流インフラ全体のネットワークや運営方法を設計しておく必要があります。

将来の物流の運営を設計するうえでは、いくつかの視点があります。

【物流運営の視点】
<物流拠点や運営を自社化するか、委託化するか>
現在自社で物流センターを運営している場合、自社のまま拠点を移転、拡張するか、一部を3PL企業にアウトソーシングするか。
逆に現在3PL企業に委託している場合、新設の拠点を自社で運営する形に変えるか。

自社で運営する場合のメリットとしては、自社にノウハウが蓄積され管理密度を上げることができる、新たな取り組みや設備導入を迅速にできる、コスト削減の効果が直接的に自社に反映されるといったことがあります。

自社運営を委託に切り替える場合は、投資を圧縮できる、また現在と離れた拠点で人員などの確保が容易でない場合にノウハウのある業者に運営を任せることができるといったメリットがあります。

<物流委託先を複数社に分けるか、1社に集約するか>
現在3PLなどに物流を委託している場合は、拠点を増やした際に今の委託先のまま新拠点の運営も任せるか、新たな委託先を増やすのか、の選択肢があります。

物流委託先を複数社に分散させるメリットは、それぞれの企業の良い部分のノウハウを吸収することができる、また企業間で競争意識が働き生産性などを高めようとする風土が醸成されるといったことが挙げられます。

逆に現在複数の3PLに委託しているものを1社に集約することも考えられます。この場合のメリットは委託の管理コストが低減されることや、拠点ごとには物流運営の収益の差があったとしても、企業1社のトータルで収支が合えばよいとする考えが生まれることがあります。

【拠点立地の視点】
物流拠点を移転、あるいは新設する場合、どこに拠点を設けるかは物流設計にあたっての大きな検討課題になります。

仮に現在、関東に1か所拠点があった場合、2拠点目をどこにするのが適切か。
その場合たとえば関西に新設するのがよいのか、もしくは現在の拠点(関東)の近くに新たな拠点を設けるのがよいのか。
2拠点トータルの配送コストや運営コスト、管理の手間、顧客へのリードタイムなどを考慮して検討する必要があります。

そして、物流拠点の立地というのは最適な場所(拠点立地、敷地の広さ、建屋の構造など)が簡単に見つかるというものではありません。
自社で施設を建てるにしても、賃借するにしても、どこも「ここはいいけど、ここに難あり」というのがほとんどです。その中で適当と思われる場所を決めていく必要があります。
これらの検討にも時間を要することになります。

【まとめ】
モノを販売する企業が売上高100億円を目指すことは、その事業基盤となる物流体制を構築することとセットです。
100億円に達した際の物流はどうあるべきなのか。
できるだけ早い段階から検討しておくことが必要です。

そして、それは企業にとって「強い物流」、「効率的な物流」を作ることにつながります。
さまざまな選択肢を検討し、自社にとって望ましい物流の構築を目指してください。
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