物流コンサルティング入門(9) ~運行効率を測る積載率とは
■経営コンサルタントのための物流コンサルティング入門講座(9)
中小企業診断士などの経営コンサルタントが物流業や物流に関わるコンサルティングを行う際に知っておいていただきたい用語、物流の仕組みなどについて解説しております。
第9回目は、運送業の運行効率を測る積載率について。

トラックの運行効率を測る指標には、「積載率」というものもあります。
積載率は、トラックの積載可能量に対して、何割積載したのかという指標です。
当然、積載率が高い方が運行効率は高いことになります。
積載率は、主に以下の要素で分析します。
①容積
②重量
③面積
【①容積】
トラックの荷台の容積が50㎥(約1,800才)の車両に、40㎥(約1,440才)の荷物を積んだ場合、積載率は80%(=40㎥÷50㎥)となります。
【②重量】
最大10トン積載できる車両に、荷物を8トン積んだ場合、積載率は80%となります。
【③面積】
トラックの荷台の床面積が20㎡の車両に、荷物を16㎡積んだ場合、積載率は80%となります。
なお、荷物をすべてパレットや台車に乗せて車両に積む場合、その車両の最大積載可能なパレット枚数や台車数に対する積載量を測る場合もあります。
たとえば、最大16枚のパレットを積載できる車両に対し、10枚積んだ場合は積載率は62.5%(=10枚÷16枚)となります。
【選択の要素】
積載率を「容積」で測るか、「重量」で測るか、あるいは「面積」で測るか。
その選択の要素は、荷物の特性によって判断します。
たとえば、トラックがウイング車(荷台が箱型で左右にも扉が開くタイプの車両)で、荷台の天井近くまで積むことができる荷物のような場合、容積一杯に荷物を積んだ方が運行効率は良くなりますので、その場合は「容積」で積載率を見るのがよいでしょう。
一方、一つ一つの荷物が比較的重いもので、あまりたくさん積むと重量オーバーになってしまうような荷物の場合、「重量」で積載率を見ることになります。
また、すべてパレットや台車に積載された状態でトラックに積み、2段重ねができないような荷物の場合は「面積」で積載率を見ていきます。
運行形態によっては、積載率を「重量もしくは面積」といった組み合わせで見る必要があることもあります。
基本的にパレットに荷物が乗っていて、1パレットごとの重量が比較的重く、多くのパレットを積むと過積載になってしまう可能性があるようなケースです。
なお、「容積」で積載率を見る必要がある際、一個一個の荷物のサイズがわかっていれば、㎥や才数を計算することはできますが、そのような情報がない場合は積載率を正確に割り出すことは難しくなります。
積んだ状態の荷台を写真などに撮り、それをAI画像判定で積載率を分析するシステムも世の中にあると思いますが、そのようなものがないと人間の目視の感覚で積載率を出さざるを得ません。
【積載率を重視すべきか】
述べてきたとおり、積載率は運行効率を測るうえでの一つの指標となります。
積載率が低い場合、トラックに“ムダ”が生じていると言えます。
一方で、『積載率はうちには関係ない』という立場の人もいます。
それは、トラックをチャーター契約(1運行ごとや一定の時間制でトラックを貸切る契約)している場合の運送会社の立場です。
仮に1運行ごとでチャーター契約をして、その運賃が10万円だったとします。
その場合、トラックの荷台に1個しか荷物が積まれていなくても、逆にほぼ満載で荷物が積まれていても、運送会社がもらう運賃は10万円で変わりません。
そのようなケースもあるため、経営コンサルタントはマネジメントの指標として積載率を分析することが重要なのか、あまり重視すべきことではないのかは、運行の形態によって判断する必要があります。
【まとめ】
積載率は運行効率を測る際の一つの指標となります。
そして、積載率は、「容積」、「重量」、「面積」のいずれかで計測を行います。
積載率を高めることは経営改善につながることが多いのですが、それを重視する必要のない企業もあります。
積載率を高めることで収益を良くすることができる場合、新たな顧客の獲得などの施策を検討することになります。
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