物流コンサルティング入門(18)~輸送、配送、運送の違い
■経営コンサルタントのための物流コンサルティング入門講座(18)
中小企業診断士などの経営コンサルタントが物流業や物流に関するコンサルティングを行う際に知っておいていただきたい用語、物流の仕組みなどについて解説しております。
第18回目は、輸送と配送と運送の違いについて。

トラックなどで荷物を運ぶことをなんと呼ぶでしょうか。
・輸送
・配送
・輸配送
・運送
・運搬
・配達
このように呼ぶことが多いかと思います。
では、それぞれの言葉には違った定義があるのでしょうか。
「輸送」と「配送」については、JIS(日本産業規格)の物流用語に次のような定義があります。
<輸送>
「貨物をトラック、船舶、鉄道車両、航空機、その他の輸送機関によって、ある地点から他の地点へ移動させること。」
<配送>
「貨物を物流拠点から荷受人へ送り届けること。 」
つまり、「輸送」はある地点から別の地点への“拠点間の貨物の移動”、「配送」は“最終届先の荷受人への貨物の移動”ということになります。
その輸送と配送の二つを合わせたものが「輸配送」という言葉になります。
<運送>
では、「運送」の定義は何でしょうか。
実はJISの物流用語には運送という言葉はありません。
ただ、国(国土交通省)は“運送事業”という言葉を使っていますので、それを基にすると、運送は貨物を運ぶこと全般を指すことになります。
物を運ぶ行為(≒輸送と配送を合わせた概念)が運送と言えるでしょう。
(注:一部のインターネット上に記載されている記事では、「運送はトラックなどの自動車を使ったものが該当し、飛行機や船舶による輸送は運送とは言わない」という解説がなされているものがありますが、『利用運送』には飛行機や船舶を利用したものもありますので、その解説は厳密にいうと正確とはいえません。
ただ、一般的には「飛行機での運送」とか「船での運送」という言い方はしないので、その解説がすべて間違いではありません。概念的にはトラック等の自動車を使ったものが運送と呼ばれることが多いと理解するとよいでしょう。)
上記を整理すると、以下のようになります。

<運搬>
では、「運搬」とは何でしょうか。
運搬はJISの物流用語に次の定義があります。
「物品を比較的短い距離に移動させる作業。」
「運搬」は短い距離の移動を意味するので、同じ建物内や敷地内といった範囲で物を動かすことを指します。
<配達>
「配達」という言葉ですが、これはJISに定義はありません。
一般的に配達とは、最終の届先(荷受人)に物を運ぶことを指しますので、「配送」とほぼ同義といえるでしょう。
【まとめ】
以上をまとめると、
「輸送」は拠点(工場や物流センター、倉庫など)間で物を運ぶこと。
「配送」は最終届先となるところに物を運ぶこと。
「運送」は物を運ぶこと全般。
ということです。
また、
「運搬」は短い距離の物の移動。
「配達」は「配送」と同義。
となります。
言葉の使い方として、
『関東物流センターから九州物流センターへの配送』
『ネットで販売したものを購入者に輸送』
という言い方は誤りとなりますので留意しましょう。
SHARE
シェアする
[addtoany] シェアする